家賃・敷金トラブルのご相談

敷金返還請求手続きについて

1.敷金(保証金含む)とは

 賃貸借契約に際して未払いの賃料、退去時の部屋の清掃代・修理代(原状回復費用)などの賃貸借契約上の債務担保する目的で借り主から貸し主に交付される金銭のことを言います。あくまでも担保として預けておくものなので、退去時には返ってくるのが原則です。

  なお、敷金返還請求権の時効期間は、民法では10年ですが、貸主が不動産賃貸業者の場合には商行為となり、で5年で時効になります。

 

2.原状回復費用についての考え方

 アパートなどの賃貸借契約において、借り主は明け渡し時に原状回復の義務を負いますが、この「原状回復」とは入居した時と同じ状態にすることではありません。  

 入居した建物は時間の経過により、借り主の使用の有無に関係なく自然に劣化していきます。これを自然損耗といいます。

 また、普通に生活していれば、壁や床などが汚れたり、傷がついたりします。これを通常損耗といいます。

 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は原状回復を、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること定義しており、自然損耗・通常損耗は含まれていません。なお、ガイドラインの全文はこちらです。

 

3.トラブルについて

 敷金は、本来は退去時には返ってくるものなのですが、実際は、未払いの賃料がなくても、原状回復の費用としてハウスクリーニング代や補修費用などが差し引かれて、ほとんど返ってこなかったり、反対に追加の費用の支払いを請求されてしまうこともあります。

 

4.なぜトラブルが起こるのか

 これは、入居時の賃貸借契約時に、貸し主の不動産業者が借り主との原状回復の負担を明確にしなかったり、ガイドラインにある原状回復を超えた負担を借り主負わせるような契約条項を作成し、借り主が理解をしているかどうかにかかわらず、一方的に署名・捺印を要求し、賃貸借契約を締結させてしまう事が原因です また、ガイドラインは法令ではなく、法的拘束力を持たないので、これとは異なった特約を結ぶことができることも原因と言えます。 これは、テレビでCMを放映しているような大手の不動産賃貸業者も例外ではありません。

 

5.特約について

 では、ガイドラインに反する特約はすべて有効になるかと言うと、そうではありません。判例・裁判例では、一定範囲の修繕(小修繕)を賃借人の負担とする特約は、単に賃貸人の修繕義務を免除する意味しかないとされています。そこで、特約が有効となるためには、@特約の必要性とその合理的な理由があること、A賃借人がその不利な義務を負うことにつき認識していること、B賃借人がその特約による義務負担の意思表示をしていることが必要とされています。

 具体例として、@は家賃が相場より低く設定されていて、通常損耗の修繕費用を受け取る必要がある場合、Aは契約書や重要事項説明書に具体的な内容や修繕費用が明示されている場合、Bは契約書や重要事項説明書に署名・捺印をすることが考えられます。

 また、消費者契約法10条で、「民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とすると定められています。

 したがって、仮に自然損耗や通常損耗を賃借人の負担とする特約があり、契約書などに署名・捺印してしまっても、「消費者の利益を一方的に害するもの」である限り、特約は無効となる可能性があります。

 

6.近時の最高裁判例

近時、敷引特約と更新料について、次のとおり消費者である借主にとって不利になり得る判決が出ています。

 @敷引特約

 最高裁平成23年3月24日判決は敷引特約について、「当該建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額、賃料の額、礼金等他の一時金の授受の有無及びその額に照らし、敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には、当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り、信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって、消費者契約法10条により無効となると解するのが相当である」と判示しています。

  A更新料条項

 最高裁平成23年7月15日判決は更新料条項について、「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情」がない限り、消費者契約法10条違反にはならないと判示しています。

 

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敷金返還請求手続きの流れ

1.ご予約・ご相談

 お電話又はお問合せフォームにてお問合せ頂き、ご来所の日時をご予約頂きます。詳細は面談でのご相談の際にお伺い致します。また、とりあえずお電話でのご相談をご希望の方はその旨をお伝えください。

※ご相談の際は、@賃貸借契約書、重要事項説明書、領収書等の証拠資料、Aご本人確認のための身分証明書(運転免許証、健康保険証等)、B印鑑(認印可)をお持ちください。

  

2.ご契約

 司法書士がご相談者の方に契約内容をご説明し、ご理解頂いた上でのご契約となります。

※司法書士の代理権は元金が140万円以下の請求に限られます。140万円を超える場合及び控訴の場合は、ご本人での裁判を司法書士が裁判書類作成によって支援することになります。裁判になった場合に勝訴の可能性がない等、ご契約をお断りする場合がございます。

 

3.敷金返還請求、訴訟手続き

@賃貸人に対し敷金返還請求書(内容証明郵便等)を郵送します。

A司法書士が賃貸人と交渉し、返還に応じれば和解をします。

B返還に応じない場合は訴訟手続き(支払督促、少額訴訟、通常訴訟)に移行します。

C訴訟手続き中に和解にならなければ判決になります。

D判決が確定し、賃貸人より敷金の返還を受けます。

E賃貸人が任意に支払わない場合、強制執行が必要になることがあります。

 

4.精算・返金

返還を受けた敷金等と報酬、訴訟費用を精算の上、ご指定の振込口座へご返金致します。

 

5.敷金返還請求手続きの費用

 (1)着手金 0円

 (2)基本報酬 20,000円

 (3)成功報酬 

  @敷金を取り戻した場合

   取戻金額の20%(裁判手続きによる場合は25% 

  A貸主から現状回復費用を請求されている場合

   請求額から減額に成功した金額の10%

 (4)訴訟費用等の実費

  ※上記報酬には消費税が別途かかります。

  ※費用のお支払いは分割できますので、お気軽にご相談ください。

 

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